松本清張_迷走地図(下)

題名 迷走地図(下)
読み メイソウチズ_02(ゲ)
原題/改題/副題/備考 迷走地図(上)
迷走地図(下)
本の題名 迷走地図(下)【蔵書No0143】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1983/08/01●初版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「朝日新聞」
作品発表 年月日 1982年(昭和57年)2月8日号〜1983年(昭和58年)5月5日
コードNo 19820208-19830505
書き出し 土井信之は、タクシーで浅草三丁目に向かった。雨の午前十一時ごろだった。ホテルの部屋で受けた外浦卓郎の電話による番地をタクシーの運転手に云ったのだが、この運転手は浅草の地理に不案内とみえて、碁盤の目になった町をうろうろと走りまわった。言問通りを北に入ったこの界隈はスナックバーと小料理屋とがやたらと眼につく。あいだあいだに普通の商店や小さなビルもはさまっているが、風俗営業は料亭を中心に集まっていた。その料亭も一カ所にはかたまらずに、とびとびに一軒か二軒ずつ散在していた。どれもがあまり大きくなかった。土井が運転手に渡したメモは、「浅草三丁目××番地、桐の家」というのだが、これがわからない。午前十一時という時間はこうした町では半分眠りからさめていない状態で、スナックバーも飲み屋もトルコもまだ表を開けていなかった。
作品分類 小説(長編) 714P×630=449820(356P+358P)
検索キーワード  
【帯】野村芳太郎監督作品 今秋公開!!
総裁禅譲の噂さの中で辣腕秘書の突然の辞任。腹心後輩の不可解な動揺。一束の手紙をメグリ揺れる政権。闇に消える人。日本の運命を担う政界の暗部を描く!!