松本清張_虚線の下絵

題名 虚線の下絵
読み キョセンノシタエ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=虚線の下絵(文春文庫)〕
本の題名 松本清張全集 38 皿倉学説・短編4【蔵書No0137】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1974/07/05●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」104号
作品発表 年月日 1968年(昭和43年)6月号
コードNo 19680600-00000000
書き出し 久間は、夕方の六時ごろ、倉沢の家の前まで行った。門のところに小型自動車が停まっていたので、どこかの画商がきていると思い、そこで道を引返した。だが、百メートルほど戻ったところで思い直して戻りかけた。そのとき、門の中から一人の男が出てきて車のほうに近づいてきたので、久間はよその家の横に身を寄せた。車に灯がついて、運転手が降りてきてドアを開けている。背の低い男で、久間には見おぼえのない顔だった。どうせ画集だろうが、どこの誰とも分からなかった。車の尻の赤い灯が向うの角に消えたところで、久間は倉沢家の玄関に入った。ドアを開けたが、来客の揃えた靴はなかった。思いがけなく倉沢自身がひょいと顔を出して、なんだ、君か、と云った。その様子からみて、さっきの客が忘れものをして戻ったかと思ったようである。
作品分類 小説(短編) 29P×1000=29000
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