題名 | 相模国愛甲郡中津村 | |
読み | サガミノクニアイコウグンナカツムラ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=浮遊昆虫(文春文庫)〕 | |
本の題名 | 松本清張全集 38 皿倉学説・短編4■【蔵書No0137】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1974/07/05●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「婦人公論」増刊 | |
作品発表 年月日 | 1963年(昭和38年)1月 | |
コードNo | 19630100-00000000 | |
書き出し | 私が資料などをよく頼む古書店にI堂というのがある。神田では大きい店の一つだし、老舗でもある。ここは二階まで古本がぎっしりと詰まっているが、二階にはだいたい好事家向きの和書が積み上げられている。そのほかの洋書関係では、初版の『イソップ物語』の原書や南蛮関係の珍書も揃っている。私は銀座に出るついでに、時間があればこの店に寄ることにしている。ここでよく顔の色艶のいい、でっぷりと肥った年寄りだった。はじめは大学の先生かと思っていたが、度々顔を合わせてるうち、眼が合えば軽く会釈をする程度になった。階下と違って二階は特殊な客なので、何となく親近感が湧く。暮れも迫った或る日だった。古本も普通の店並みに赤札の売出りがあり、階下の一般書の部は普段より客が混み合っていた。その日もその老人と閑散とした二階でいっしょになった。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 22P×1000=22000 |
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