(原題=明治忠臣蔵譚)
題名 | 明治金沢事件 | |
読み | メイジカナザワジケン | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)講談社=増上寺刃傷(講談社文庫)〕 (原題=明治忠臣蔵譚) |
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本の題名 | 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2■【蔵書No0086】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1972/2/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「サンデー毎日」新春読物小説号 | |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)1月号 | |
コードNo | 19560100-00000000 | |
書き出し | 明治二年八月七日、朝四ツ時(午前十時)、金沢藩執政本多政均が藩庁に登城した。金沢藩とは加賀藩のことで、世が明治と改まってその名になった。藩主は藩知事となり、上席家老は執政と名が変わった。だから本多政均は加賀藩の家老で、而も五万石の大身であった。五万石といえば、大名並の禄高である。名に聞こえた百万石の前田家だから、家臣で一万石以上が八家もあった。本多はその筆頭だから、官位も従五位下播磨守を叙爵され、藩中の権勢第一であった。政均は三十二歳の壮年で、眼が大きく赭ら顔で、いかにも精力的な体格をしている。朝の暑い照りつけの中を登城してきたので、駕籠から出て式台に上ると、汗が首筋から胸元に流れていた。「暑い」と呟いて手拭きで汗を押さえると、藩庁となっている二の丸の廊下を奥に歩き出した。途中で出会う者は廊下の端によけて迎える。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 11P×1000=11000 |
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