松本清張(1073)赤いくじ(改名)

(原題=赤い籤)

題名 赤いくじ
読み アカイクジ
原題/改題/副題/備考 (原題=赤い籤)
本の題名 松本清張全集 35 或る「小倉日記」伝・短編1【蔵書No0106】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)5月号
コードNo 19550500-00000000
書き出し 一九四四年(昭和十九年)の秋、朝鮮京城で二つの新しい師団が編成された。新編成師団の任務は、米軍の上陸に備えて、朝鮮の西沿岸を防備するというにあった。二つの師団は受持区域を南北二つの朝鮮に割った。ほんとうの名は第何千何百何十部隊というのだが、”朝鮮を守備”するというので、この字まで二つに割り「守朝兵団」、「備朝兵団」と称した。だから南朝鮮受持ちの師団の兵は、よごれた軍服の胸に、白い布を貼って、「備朝兵団」とへたくそな字で書き入れた。備朝兵団の兵団長は、白い頭をした六十歳の老人であった。むろん退役中将であったが、昔はどこかの大使館付武官をつとめてきたということだった。そういえば、長身のどこかに、ダンスの巧みらしい身のこなしがないでもなかったが、概して日本の老将軍らしい威厳はあった。
作品分類 小説(短編) 19P×1000=19000
検索キーワード 朝鮮半島・全羅北道・兵団長・軍医・参謀長・慰安婦・米兵・赤いインク・引揚げ