松本清張_反射

題名 反射
読み ハンシャ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)光文社=松本清張短編全集7 鬼畜〕
本の題名 遠くからの声【蔵書No0007】
出版社 (株)講談社
本のサイズ 文庫(講談社文庫)
初版&購入版.年月日 1976/10/15●2版1976/12/15
価格 260
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1956年(昭和31年)9月号
コードNo 19560900-00000000
書き出し 霜井正雄が、雨宮スミ子に殺意を起こしたのは、全く金が目当てであった。雨宮スミ子は三十三歳で、或る会社の重役の山本周造という人の愛人であった。杉並区井荻の静かな住宅街の中に一軒を借り、そこに週に一度か二度泊まりに来る山本氏を待ちうけている生活をしていた。スミ子は、その前は新宿の二幸裏にある小さなバーの女給をしていた。霜井との結びつきはその頃からである。スミ子が山本氏に囲われて、世間でいう二号の生活に入ってからも、、二人の関係は続いた。霜井はスミ子の家に度々行き、山本氏が来ぬときは泊まったりした。六畳と四畳半、それに台所、風呂場、三畳の物置部屋という小さいが新築後間もないきれいな家だった。山本氏はひとり居のスミ子を危ながって、女中を措けと言うが、小さい家に他人が居ると、あなたと一緒のとき遠慮で気儘が出来ないから、とスミ子は言いつづけて断った。理由だけに、山本氏もそれ以上強制する力がなかったらしい。
作品分類 小説(短編) 34P×650=22100
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