松本清張(1085)_Dの複合

題名 Dの複合
読み Dノフクゴウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 3 ゼロの焦点・Dの複合【蔵書No0035】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/05/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「宝石」
作品発表 年月日 1965年(昭和40年)10月号〜1968年(昭和43年)3月号
コードNo 19651000-19680300
書き出し 午後三時五十三分、列車は、といってもディーゼル車だが、天橋立駅を西に少し向かって離れた。十月二日の、秋のはじめにしては少し涼しすぎる曇り日であった。どうしてこんなこまかい時間に伊瀬忠隆が注意を払ったかというと、列車がホームを動き出したとたんに、彼が腕時計に眼を落としたからである。といって、売店の上に位置した駅の電気時計と、自分のインターナショナルの針と見くらべたわけではない。つまり、退屈だったのだ。彼は小さなあくびをした。京都から乗って、綾部でもいっしょに乗り換えた乗客の半分は、天橋立駅で降りてしまい、車両がにわかに空いてしまったので、退屈感も増し、さらにこれからもっと田舎に行かなければならぬといううらぶれた感じにもなった。
作品分類 小説(長編) 244P×1000=244000
検索キーワード 宇美辰丸・冤罪・月刊誌・作家・ふだらくとかい・浦島羽衣伝説・東経.北緯・紀行エッセイ読者・計算狂・僻地伝説