松本清張(1084)_ゼロの焦点(改題)

(原題=零の焦点)

題名 ゼロの焦点
読み ゼロノショウテン
原題/改題/副題/備考 (原題=零の焦点)
〔「虚線」(太陽1〜2→休刊のため中絶。宝石に再掲載)〕
本の題名 松本清張全集 3 ゼロの焦点・Dの複合【蔵書No0035】 映画
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/05/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 太陽(雑誌廃刊で中断)・宝石
作品発表 年月日 1958年(昭和33年)1月号〜2月号/1958年(昭和33年)3月号〜1960年(昭和35年)1月号
コードNo 19580100-19600100
書き出し 板根禎子は、秋に、すすめる人があって鵜原憲一と結婚した。禎子は二十六歳であった。相手の鵜原は三十六歳だった。年齢の組合せは適切だが、世間的にみると、多少おそい感じがした。「三十六まで独身だというと、今まで何かあったんじゃないかねえ」その縁談があったとき、禎子の母は一番、それを気にした。それはあったかもしれない。三十六まではまるっきり女との情事がなかったとは言い切れない。まったくなかったと聞かされたら嘘のようだし、男としてかえってひ弱な感じがする。長い間勤めに出ていて、男の働く世界に身を置いてきた禎子はそう思った。実際、女にまるっきり交渉のない男というのはどこか軽蔑してもいいようなところを持っていた。持っていたというよりも、女が感覚で発見するのかもしれない。そんな男に清潔感というものは、滅多になかった。身体の上でも、仕事の上でも、ある虚弱さを感じるものだ。
作品分類 小説(長編) 202P×1000=202000
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