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| 疑問 0７ 蛇足的疑問 「月形潔」と「熊坂長庵」、そして「松本清張」 『樺戸集治監（今でいえば重罪犯を収容する特別な刑務所）、初代典獄（監獄長）月形潔の仕事』 世紀の冤罪事件か？ 【相模国愛甲郡中津村】＆【不運な名前】（藤田組贋札事件） |
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●二つの作品 【相模国愛甲郡中津村】（婦人公論：1963年（昭和38年）1月） 藤田組贋札事件をモチーフに書いたとされ、この事件で逮捕されたという熊坂長庵の家が愛川町中津に実在する。 のちに大川周明がこの家を購入した。この家は現在古民家山十邸として一般公開されている。 【不運な名前（藤田組贋札事件）】（オール讀物：1981年（昭和56年）2月号）です。 「不運な名前」も題材は、『藤田組偽札事件』で、こちらは、前作から18年後に書かれている。事件から約100年後である。 「不運な名前」の由来は、大盗賊「熊坂長範」と名前が似ていることによる。 ＞1980年代初頭、月形町にある樺戸行刑資料館（現在の月形樺戸博物館）に、3人の訪問客がやって来た。 ＞一人はルポライターの安田。もう一人は福岡の元高校校長の伊田。京都の私立女子大学助教授の神岡。 ＞偶然出会った3人は、熊坂長庵の「観音図」の前で、明治時代最大の贋作事件でもある「藤田組贋札事件」の真相にせまる。 ●二人の登場人物（月形潔と熊坂長庵） 月形潔：戸集治監（有名な網走監獄は樺戸監獄の分監として開設された。）の初代典獄が、月形潔 無期懲役の熊坂長庵の見張り役との説がある。時の政府は、熊坂長庵の脱獄、獄中からの無罪、冤罪の主張を恐れた。 熊坂長庵：相模国愛甲郡熊坂村（後神奈川県愛甲郡中津村、現愛川町中津）の豪農熊坂家の生まれ。 ※昭和19年、大川周明（東京裁判の戦犯）の居所となり、現在は、古民家山十邸として公開されている。 公立小学校救弊館（現愛川町立中津小学校）初代校長。明治15年（1882年）、 藤田組贋札事件の犯人として逮捕され、無期徒刑（無期懲役）を受け北海道の樺戸集治監に収監される。 その4年後に獄死。長庵は冤罪の疑いが濃いとする説もある。 長庵は樺戸集治監では優遇されたようで、あまり労役に出ることもなく、何枚も絵画を描き、 人々に渡している。特に観音図（弁天像）を描き、月形町の北漸寺に寄贈している。 ●藤田組贋札事件の概略 1878年12月 国庫の中から2円札の偽札が見つかる 1879年9月15日 藤田組（商社）の藤田伝三郎らが容疑者として拘束、12月20日無罪放免。 1882年9月20日 熊坂長庵の自宅（下相模国愛甲郡中津村17番）から偽札が815枚押収され熊坂逮捕。 1882年12月8日 熊坂長庵は神奈川重罪裁判所で贋札偽造同行使の容疑で無期徒刑（無期懲役）を宣告される 1886年4月29日 樺戸集治監で獄死 獄死とされているが、出獄したとする説もある。 －－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－ |
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