研究作品 No_154
【見世物師】
(シリーズ作品/紅刷り江戸噂:第四話)
〔小説現代〕
1967年(昭和42年)9月号〜1967年(昭和42年)10月号
|
このところ、両国の見世物小屋はいい種がなくてどこも困っていた。見世物小屋は両国と浅草の奥山とが定打ちだった。常設となれば、年じゅう新しい趣向を探していなければ客足が落ちる。両国橋を隔てた東と西の両側がこうした娯楽地だった。両方とも娘義太夫、女曲芸、講釈、芝居といった小屋がかかっているが、見世物もその一つである。ほとんど一年じゅう休みなしに興行をつづけているので、いつも同じものを見せてはならない。観客を飽きさせないように、ときどきは出し物の種を変える必要がある。この前は蛇使いを見せたから今度は一本足を見せる、次はろくろ首、その次は一つ目小僧、夏は化物屋敷きというように趣向を変えた。だが、客のほうはどうせマヤカシものとは分かっていながらも木戸銭を払って見てくれる。しかしどうしても新趣向の見世物小屋へ客足が集まるのは人情だ。 |
見世物小屋とは懐かしい名前だが、実際に見たことはない。
国立民俗博物館でそのような展示を見たことがあった気がする。
見世物小屋ですぐ思い出すのが、「ろくろ首」。おおいたちと言って、大きな板に血が付いている「おおイタチ」(大板血)なんて落語の
マクラに使われている話など思い出す。
●主な見世物は以下である。なお、現在では興行されていない見世物も含む。
貝細工の見世物(江戸期にはこれが代名詞的存在だった。動きの無い静物)
へび女(例:体に蛇を巻きつけたりかじりついたりする、蛇の入れ墨)
タコ女・タコ娘
奇形動物(珍獣)・ 双頭の動物
生人形(松本喜三郎・安本亀八の作が全国を巡業した。後の菊人形につながる)
※芸
人間ポンプ・人間火炎放射器・犬の曲芸
それつけやれつけ・玉乗り・角兵衛獅子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
見世物小屋(みせものごや)は、珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにして、
日常では見られない品や芸、獣や人間を見せる小屋掛けの興行である。
時代が下るにつれ、主に奇異な外見に重きを置いている点でサーカスと区別されており、
海外では「フリークショー(Freak show)」の名称が用いられている。
小説としては、物語の書き始めで、どのように発展、展開していくのか全く見当が付かない。
|