研究室_蛇足的研究

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2017年3月15日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_077

 【共犯者


研究発表=No 077

【共犯者】 〔週刊読売 1956年11月18日〕

内堀彦介は、成功した、と自分で信じている。○堀屋といえば、この福岡の市内では家具の月賦販売として今ではひろく知られている。【松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2:共犯者】より

内堀彦介は、成功した、と自分で信じている。○堀屋といえば、この福岡の市内では家具の月賦販売として今ではひろく知られている。「家具デパート」として宣伝したが、まず、五年間にしては、名前も売りこんだし、商売も思いのほかのびた、前からいる土地の同業者がおどろいている。商売の繁盛は、やはり彦介の長い間の外交員生活の腕が役立ったといえよう。しかし彦介は家具の外交をしてきたのではない。彼は十五年間、食器具の販売員として、ほとんど全国のデパートや問屋を回っていた。製品は印度向けの輸出もするメーカー品で、その会社の専属販売店で働いていたのである。商品見本をきれいにならべて詰めたトランクを提げて各地の問屋の軒先をくぐる。見本を見せて注文を取る。前に残った勘定を手形で貰う。予定が決めてあるから、一分間のむだもせずに、次の店に回らなければならない。いつも忙しく汽車の時間表を見ている。それが内堀彦介のかつての十五年間の生活であった。

                   研究

以前、内堀彦介の仕事は食器具の販売員であった。その内堀彦介が家具屋として成功している。
家具屋を始めて五年間。食器具の販売員の生活が十五年間。
何故、食器具の販売員から家具屋に転身したのか...
タイトルの『共犯者』が気になるところだが、五年前に何かが起こったのだろう。
食器具は印度向けに輸出もするようだが、「印度」から麻薬なども想像できる。

実のところ、数多くドラマ化されているので再読するまでもなく筋立ては知っている。

●映画
1958年大映で映画化
●テレビドラマ
1 1960年版
2 1962年版
3 1964年版
4 1983年版
5 2006年版
6 2015年版
 6度のテレビドラマ化が示すとおり映像化されやすい作品なのだろう。


※「共犯者」で調べると、ウィキペディアでは、以下の項目が出た。
共犯者 (松本清張) - 松本清張の小説。また、それを原作とした日本映画、テレビドラマ。
共犯者 - 小杉健治の小説。「検事・沢木正夫」シリーズ第3弾。
共犯者 (2003年のテレビドラマ) - 2003年に浅野温子主演で日本テレビで放送されたテレビドラマ。
共犯者 (1999年の映画) - きうちかずひろ監督による日本映画。
共犯者 (ビビアン・スーの曲) - ビビアン・スーのシングル曲。
共犯者 (スネオヘアーの曲) - スネオヘアーのシングル曲。
共犯者 - OKAMOTO'Sの曲。シングル「ラブソング/共犯者」に収録。
共犯者 (矢沢永吉のアルバム) - 矢沢永吉のアルバム。