【紹介作品・研究室の倉庫】
2013年6月30日
清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!
研究発表=No 055 【証言】 〔週刊朝日〕 1958年12月21日号〜28日号 女は、鏡に向かって化粧を直していた。小型の三面鏡は、石野貞一郎が先月買ってやったものである。 (株)文藝春秋『松本清張全集4 黒い画集』●初版1971/08/20より
研究 女の歳は? 四十八歳の石野貞一郎との関係は? 石野の家庭環境と、おそらく愛人であろう梅谷千恵子の関係が手に取るように解る。 二人の関係がどう展開されるか、タイトルの「証言」にはたどり着けない書き出しである。 三面鏡は時代を感じさせる。最近あまり聞かないが女の部屋には付きものなのだろうか? 1958年の作品である。清張は50歳、「黒地の絵」「ゼロの焦点」「無宿人別帳」と傑作を連発している 時期である。