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研究室_蛇足的研究

紹介作品・研究室の倉庫

2009年04月22日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_043

 【時間の習俗


研究発表=No 043

【時間の習俗】 〔旅〕 1961年5月号〜1962年11月号

和布刈神事       早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈るかな   雲屏...◎蔵書◎松本清張全集1「点と線・時間の習俗」 (株)文藝春秋●1971/04/20/初版より

和布刈神事       早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈るかな   雲屏
その年の、旧暦元旦は二月七日に当たった。その前夜、午後十一時ごろから、門司市内のバスが臨時に動いて、しきりと、客を北西の方にある和布刈岬に運んだ。霙でも降りそうな寒い晩だった。バスは三十分かかって狭い海岸通りを走り、海峡へ少し突き出た岬で客を降ろしした。岬は関門海峡の九州側の突端である。狭い民家の細長いつながりは、途中で切れている。この辺の家は、昼間だと軒に若布などを干したりして、魚の臭いが強かった。バスは鳥居のそばで止まった。客はぞろぞろと鳥居をくぐってゆく。境内では数カ所に篝火が焚かれていた。寒い晩のことだし、篝火の周囲には群衆がいくつもの輪を描いていた。境内のすぐ前は、暗い海だった。対岸に灯があるが、これは下関側の壇ノ浦だった。 

研究


ニュース写真左中央部が和布刈神社(中国自動車道壇ノ浦PAから撮影)

>対岸に灯があるが、これは下関側の壇ノ浦だった。
写真は壇ノ浦側から撮影。案内板は門司側(めかりSA)のめかり公園で撮影。(上の写真)

小説は、和布刈(めかり)神社参詣風景を活写している。
ただ書き出しでは何も分からない。和布刈神事が事件の前触れか?
タイトルの『時間の習俗』とは?


余談だが、めかりを和布刈と変換出来ない。

【和布刈神事】

Yahoo!百科事典より

福岡県北九州市門司(もじ)区和布刈町に鎮座する和布刈神社(旧県社)で旧暦
12月晦日(みそか)から元旦(がんたん)の未明にかけて執行される特殊神事。関門海峡を隔てた対岸に鎮座する住吉(すみよし)神社(旧官幣中社)でも同日同時刻に同神事を執行する。深夜午前1時から3時ごろの干潮時に神職3人が正装し、鎌(かま)と松明(たいまつ)を持って海中に入り、和布(わかめ)を刈り取って神前に供える神秘の行事。この和布は万病に効くと伝えられ、朝廷にも献上した。神功(じんぐう)皇后がいわゆる「三韓(さんかん)征伐」のため付近を航海中に安曇磯良神(あずみいそらのかみ)が海中より献上した如意珠(にょいじゅ)を使って三韓を征Hazou/k1043_03.jpgェ磯良神より潮干・潮満の法を学んだ遺風を伝えるのがこの神事という。元旦最初の神供として土地所産の供物を採取する意義がある。


gazou/k1043_03.jpgハ真の撮影日は2009年4月6日、7日