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研究室_蛇足的研究

紹介作品・研究室の倉庫

2008年01月21日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_037

 【砂の器


研究発表=No 037

【砂の器】1960年5月17日〜 〔読売新聞/夕刊〕

第一章トリスバーの客    国電蒲田駅の近くだった。間口の狭いトリスバーが一軒、窓に灯を映していた。。......◎蔵書◎松本清張全集5(株)文藝春秋●1971/09/20/初版より

第一章トリスバーの客   国電蒲田駅の近くだった。間口の狭いトリスバーが一軒、窓に灯を映していた。十一時過ぎの蒲田駅界隈は、普通の商店がほとんど戸を入れ、スズラン灯の灯りだけが残っている。これから少し先に行くと、食べもの屋の多い横丁になって、小さなバーが軒をならべているが、そのバーだけはぽつんと、そこから離れていた。場末のバーらしく、内部はお粗末だった。店にはいると、すぐにカウンターが長く伸びていて、申しわけ程度にボックスが二つ片隅に置かれてあった。だが、今は、そこにはだれも客は掛けてなく、カウンターの前に、サラリーマンらしい男が三人と、同じ社の事務員らしい女が一人、横に並んで肘を突いていた。客はHazou/k1037_01.jpgンらしく、若いバーテンや店の女の子を前に、いっしょに話をはずませていた。レコードが絶えず鳴っていたが、ジャズや流行歌ばかりで、女の子たちは、ときどき、それに合わせて調子を取ったり、歌に口を合わせたりしていた。

研究

あまりに有名な作品のため、先入観なしに書き出しの文章だけで予見するのは難しい。 章立てになっている。「第一章 トリスバgazou/k1037_01.jpgる。
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「トリスバー」は、当時はやりであったようだ。

昭和30年(1955年)前後に生まれ、爆発的な人気を呼んだ
庶民的なバー。トリスウイスキーをソーダで割ったハイボールが
主力製品でしたが、カクテル類も人気がありました。
サラリーマンや大学生が気軽に訪れ、グラスを傾けながら
民主主義を語り、文学・芸術を語り、人生・恋愛を語る舞台であり、
新しいライフスタイルを象徴する場でもありました。
トリスのハイボールは大阪では「トリハイ」、東京では
「Tハイ」という愛称で呼ばれました。

書き出しは、国電蒲田駅付近「トリスバー」の店内を淡々と描いている
だけである。
作品の書き出しとしては比較的珍しいのではないだろうか?
狭い場所を、情景描写として何の飾りもなしに、具体的に描き出している。

問題はこれからである。
皆さんご存じの通り。そこで交わされる客の会話「●●●は今も相変わらずでしょうね」

会話の部分は、書き出し300文字前後を完全に過ぎています。


蛇足的独断
小説を読んだ後、映画を見ました。
映画を見た後、再度読み返したのですが、映像の強烈な印象は小説の中での想像力を
吹き飛ばしてしまいます。
『砂の器』は、数ある映画化、TVドラマ化された清張作品のナンバーワンでしょう。
いつもは、がっかりさせられる映画化、TVドラマ化ですが...