研究室_蛇足的研究

紹介作品・研究室の倉庫

2007年9月12日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_036

 【点と線


研究発表=No 036

【点と線】  〔旅〕 1957年2月〜1958年1月

安田辰郎は、一月一三日の夜、赤坂の割烹料亭「小雪」に一人の客を招待した。客の正体は、某省のある部長である。......◎蔵書◎松本清張全集1(株)文藝春秋●1971/04/20/初版より

安田辰郎は、一月一三日の夜、赤坂の割烹料亭「小雪」に一人の客を招待した。客の正体は、某省のある部長である。安田辰郎は、機械工具商安田商会を経営している。この会社はここ数年に伸びてきた。官庁方面の納入が多く、それで伸びてきたといわれている。だから、こういう身分の客を、たびたび「小雪」に招待した。安田は、よくこの店を使う。この界隈では一流とはいえないが、それだけ肩が張らなくて落ちつくという。しかし座敷にでる女中は、さすがに粒が揃っていた。安田はここではいい客で通っていた。むろん、金の使い方はあらい。それは彼の「資本」であると自分でも言っていた。客はそういう計算に載る人びとばかりであった。もっとも、彼はどんなに女中たちと親しくなっても、あまり自分の招待した客の身分をもらしたことはなかった。

研究

あまりに有名な作品のため、先入観なしに書き出しの文章だけで予見するのは難しい。
安田辰郎、機械工具商安田商会社長こそ主人公であろう。
赤坂の割烹料亭「小雪」を舞台に繰り広げられる、「接待」。
当然汚職が中心になるのだろうか?

招待客の身分を明かさない安田であるが、招待客は

>某省のある部長である。

そして

>官庁方面の納入が多く、それで伸びてきたといわれている。

お膳立ては揃っている。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2007年秋にテレビ朝日系列で二夜連続で放送。

キャスト

  • 鳥飼重太郎:ビートたけし
  • 三原紀一:高橋克典
  • 鳥飼つや子:内山理名
  • 田中捜査係長(博多東警察署):小林稔侍
  • 小林安子(鳥飼重太郎の義姉):樹木希林
  • お時(桑山秀子):原沙知絵
  • 原種臣(産建省大臣):江守徹(特別出演)
  • 桑山ハツ(お時の母):市原悦子(特別出演)
  • 安田亮子(辰郎の妻):夏川結衣
  • 安田辰郎(安田交易社長):柳葉敏郎

[編集] スタッフ

  • 監督:石橋冠
  • 脚本:竹山洋