研究
>医師の気持ちを忖度した言い方をした。の「忖度」はなかなか難しい言葉だ。2〜3年前に時事問題で出てきたような気がする言葉だ。倉田医師は開業医なのであろう。八時二十四分は、午後のことだろう。今では救急車を呼ぶのではないだろうか。開業医が、自分の患者でもない病人から、すでに診療時間も過ぎているであろう時間に往診を頼まれて出かけるだろうか。とにかく、死亡診断書を抱えて出かける倉田医師の行動は、事件を予感させる。すでに登場人物は4人(倉田医師・看護婦・電話の女・電話の女の主人)。話の展開としては、往診の依頼を断った場合、清張の小説「霧の旗」的な展開が予想される。しかし、「死亡診断書」の携帯が事件を予感させている。
>「主人が只今、変でございます」は、妙に冷静すぎる。電話の女が怪しい。
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