【紹介作品・研究室の倉庫】
2004年02月01日
清張の作品の書き出し300文字前後で独善的研究!。
紹介No 017 【喪失】1956年 「新潮」 男も女も職業をもっていた。田代二郎は運送会社の会計係を勤めて一万五千円を貰う。この月給で妻と子ひとりを養っていた。。......◎蔵書◎青春の彷徨「喪失」(株)光文社 ●1978/12/20(7版)より
研究
男は、田代二郎28歳。女は、桑島あさ子。シンプルな書き出しは、この物語の行く末を暗示しているように、具体的である。妻子持ちの男と、訳ありの、子持ちの女。二人の関係の邪魔者は男の妻子であろう。同い年ではあるが、姉ぶってふるまう女の態度、男のせがむままに金を与える関係が平穏で続くはずがない。事件が起こり、犯人は、被害者は、と考えると、基本的な登場人物から大まかな展開が読める。 しかし、清張作品はどう展開するのだろう。