【紹介作品・研究室の倉庫】
2002年08月04日
清張の作品の書き出し300文字前後で独善的研究!。
紹介No 009 【告訴せず】1973年 「週刊朝日」 容貌の程度も平均以下で、風采も上がらない四十半ばの男は、群衆の中ではただの夾雑物でしかない。......◎蔵書◎「告訴せず」光文社新書(KAPPANOVELS)1975年11月01日(51版)より
研究
主人公は『ありふれ過ぎていて魅力を感じさせないことに帰するのだが。』で、すべてを語り、40半ばの男、木谷省吾を登場させている。彼を特徴付けようとして描かれていることは特徴のない男と言うことである。執拗に描かれた「どこにでもいるありふれた人間」を主人公に展開される小説は、犯罪が起こっても警察泣かせの顔として今後を予言している。題名からも、書き出しからも「特徴のない」研究不能のスタートである。