研究
男と女の出会いである。場所は特定されていないが、国電で30分、私鉄で20分、バスで30分相当辺鄙なところだ。20年ぶりでありながら彼女は浜島を確認している。彼女の態度は浜島に対して好意的である。20年ぶりで相手を確認できるだろうか?それも、バスの中でのとっさの出来事の続きでである。いきなり、「あら、あなたは、浜島さんじゃありませんか?」と声を掛ける女の態度は少し疑問だ。昔から彼女が浜島に多少好意を寄せていたのか、特別の感情があったのか、2人の昔の関係が分からない。浜島は彼女が誰か分からない。この方がむしろ自然である。しかし、この書き出しだけで2人の仲が進展するであろう含みが読みとれる。話の展開の序の口と言った感じで、特別の複線など感じられない。
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