【紹介作品・研究室の倉庫】
2001年03月01日
清張の作品の書き出し300文字前後で独善的研究!。
紹介No 003 【ひとり旅】1954年 「別冊文藝春秋」 田部正一は早くから、遠い旅をしたいと思い、一種の憧れをもっていたが、貧乏でそんな余裕がなかった。......◎蔵書◎「延命の負債」角川文庫1987年6月25日(初版)より
研究
田部正一は、松本清張そのもののようだ。旅への憧れは、清張の願望だったのかもしれない。主人公であろう田部を最初の数行で描ききっている。田部の将来を暗示している。「例えば、五城目、鹿渡、能代などという東北の地名を見ると、寒風に吹きさらされた陰鬱な町なみや、........」清張の小説に登場する多くの町は名も知れない地方都市が多い。華やかな大都市よりも似合っている。