登場人物
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源次(吉次) |
二十五歳。微罪で梅三郎のお縄になる。牢に入りながら助けを得て脱獄。女にやさしいせいかもてる。お蝶にお秋。
お秋と道行きで逃亡する。鳴子温泉の湯治場で卯平と遭遇、身を明かさない卯平から大山での修羅場以後の出来事を聞かされる。 |
お蝶 |
錺職人の一人娘、十七歳。伝兵衛が親父、伝助は兄。源氏に惚れて道行きとなるが、岡っ引きの梅三郎に知られて脅され言うなりになってしまう。
騙されたことを知り隅田川に身を投げる。 |
伝兵衛 |
錺職人。昔女に騙されたことがあり人が変わる。今では息子の伝助と贋金造りを手伝っている。お蝶は一人娘
腹の据わった男で、源次とお蝶が出来たことに腹を立てるが、最期に父親の顔を見せる。 |
兵助(松五郎) |
乱暴者だが話は分かる男。親父と贋金造りをする。二十四歳。加賀屋六右衛門の依頼で、梅三郎を殺す目的で大山に向かう。
梅三郎の前では品川で小間物屋をやっている松五郎と名乗る。 |
卯平 |
番小屋の番太郎。子供相手の飴屋になりながらも全うに生きようとする。源次と同じくらいの年頃の息子を亡くしている。
最期まで源次の味方になりかっこよく消えていく。「左の腕」の卯助がモデルか?。 |
梅三郎 |
下谷の岡っ引き。その地位を利用して悪事を働く。囲い者のお米も亭主を島送りにし騙して自分の女にする。
同じ手でお蝶を手籠めにする。この話の中では一番の悪党と言える。 |
勘八(金蔵) |
源次とは小伝馬町の牢仲間。牢名主名や卯平の助けを借りて脱走。源次につきまとうが逆に源次にはめられて殺される。
が、土左衛門になるところを加賀屋敷の侍、石川に助けられる。船宿「梅の屋」で働くとき、源次を見かける。恨みがあり、大山を目指す。 |
お米(お仙) |
もとは科人の女房。梅三郎の口車に乗って夫が島流しの間に梅三郎になびく。湯島天神下に料理屋「松葉屋」を開く。
女中にお八恵・お秋そしてお蝶が加わる。加賀屋敷の侍、石川がよく利用する。 |
お秋 |
「松葉屋」の女中。加賀屋の六右衛門の世話のため派遣され、そこで源次と知り合う。
源次がどこまで本気か分からないが女房にすると云い、加賀屋を探らせる。お秋は本気で源次に尽くす。 |
お八重 |
お秋、お蝶の同僚。「松葉屋」女中 |
石川 |
加賀屋敷の侍。贋金造りの中心人物。「松葉屋」のお蝶に熱を上げる。 |
六右衛門 |
加賀屋の当主だが、贋金造りの主役。かなりの悪徳商人。梅三郎を利用して源次を殺そうとする。梅三郎は伝助に殺させようとする。 |
治兵衛 |
加賀屋の番頭。六右衛門の仲間であり手下。 |
甚兵衛 |
植木屋の辰巳屋甚兵衛。大山詣りの講元。加賀屋の六右衛門の手下 |
富太(仙山) |
根っからの女好き。最初の火事で逃げた先の回向院で女を襲うが源次に邪魔をされる。仙山を名乗って御師に化けている偽坊主。
大山の山中でお秋を襲うが、逆に谷底に突き落とされる。 |
丑松 |
梅三郎の子分。お蝶の居所を見つける。卯平の存在を発見、梅三郎に御注進。屑屋に化けてお蝶の家に乗り込む。だが、源次の顔は知らない。 |
熊五郎 |
梅三郎の子分。お蝶の男が源次であることを突き止め梅三郎に報告。 |