登場人物
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田上 耕作 |
障がい者。鴎外の空白の「小倉日記」を再現しようとする。六尺近い長身実在の人物だが「伝記小説」ではない。 |
田上 ふじ |
田上定一と結婚。評判の美人。耕作は一人息子。耕作にわが夫のように仕え、幼児のように世話した。 |
田上 定一 |
白井正道の甥。ふじと結婚、耕作をもうける。耕作の病を気に留め治療に奔走するが若くして病死。 |
白井 正道 |
ふじの父。熊本にある国権党の党員。自己の利害から、甥の定一とふじを結婚させる。ふじ夫婦に家作を遺す。 |
江南 鉄雄 |
商事会社勤務。耕作の生涯の友人で耕作を尊敬していた。詩など書いていた。この小説の救いとも云える。 |
白川 慶一郎 |
白川病院の医院長。地方都市の指導的文化人、集まりのパトロン的存在。50近い長身の大男。蔵書家で耕作の理解者。 |
山田 てる子 |
耕作の家に出入りする。白川病院の看護婦。天性のコケットリイ、病院に出入りするどの男性とも親しくしていた。 |