松本清張_地を匍う翼(未購入)

題名 地を匍う翼
読み チヲハウツバサ
HTML 96014
原題/改題/副題/備考  
本の題名  
出版社  
本のサイズ  
初版&購入版.年月日  
価格 未購入
発表雑誌/発表場所 『別冊文藝春秋102』
作品発表 年月日 1967年12月
コードNo  
書き出し 松本清張 - 地を匍う翼 〜下山国鉄総裁謀殺事件外伝〜... | Facebook

松本清張
2017年10月6日 ・
地を匍う翼
〜下山国鉄総裁謀殺事件外伝〜
 サブタイトルは私が勝手につけましたが、松本氏の幻の作品です。昭和42年12月の別冊文藝春秋に発表されたきり一度も単行本化されていません。おそらくよほどの松本清張ファンでない限り読んだことがないはずで、非常に興味ある作品です。
 下山国鉄総裁謀殺に関してあまりに様々情報が飛び交い、何が本当でなにが嘘なのか分からなくなっているのですが、この作品もそのあたりをモチーフにした極めてドキュメンタリーな内容になっているようです。概要は次のような感じのようです。なにせ読んでいないのでよくわからないのです。
 下山国鉄総裁謀殺に関して最も熱心に取材し、生涯をこの事件に費やしたといっていい人物に朝日新聞記者、矢田喜美雄氏がいます。ベルリンオリンピックの走り高跳びで5位入賞というアスリートでもあります。
 矢田氏は朝日新聞退職後、その取材結果を『謀殺・下山事件』としてまとめていますが、矢田氏はその著書の中でH・Oという不思議な人物の存在を、大陸からの引き上げ者で、内外タイムス記者を経て読売新聞記者となった鑓水徹氏(やりみずとおる)から聞かされとことを記しています。
 鑓水氏は偶然にも熱海で自殺したH・Oの手記を、懇意にしていた熱海の旅館主から手に入れます。そしてその手記には驚くべきことが告白されていたのです。H・Oこそが下山国鉄総裁を、三越から誘拐した犯人グループの一人であり、仲間は事件後台湾の米軍基地に飛ばされ消息不明。H・Oは自責の念にかられ麻薬に溺れ、ついに自ら命を絶ったという内容なのです。
 鈴木金属という旧陸軍関係の軍需品などを製造していた会社が北区にありました。この社長の村山氏が、なんとH・Oの逃走資金を出していたというのです。鈴木金属の工場は北区。下山総裁が連れ込まれたとしても不自然ではない場所にあり、しかも軍需工場です。
 しかもあっと驚くことに、この村山氏と鑓水徹氏は同郷で、本籍が1番地と狂わないというのです。これは偶然の一致なのでしょうか。
 つまりここにきて、この鑓水徹氏の情報は果たして本当なのか極めて怪しいということになってくるのです。この他鑓水徹氏は、下山総裁が載せられた車についても重要な情報を出しており、当時日本にめったにないナッシュ47型という外車と証言しています。それまでは総裁が乗ったのはビュイックだったというのが定説だったのですが、ナッシュ47型を出したのが鑓水氏です。
 決定的におかしいのが、新聞記者であるはずの鑓水氏がなぜこのスクープを自分で報道しないのか。H・Oの手記は鑓水氏だけが見たというだけで、ほかに見た者がいません。
 この辺をモチーフにしたのが、松本清張氏の『地を匍う翼』ということです。どうでしょう。きわめてサスペンスフルな内容ではないでしょうか。私はこんな作品があることは知らず、例の柴田氏の『下山事件 最後の証言』で初めて知りました。
 是非読んでみたいですね。それには別冊文藝春秋を探さなければなりません。
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13

投稿者
松本清張
まだ読んでいません。何せ物が手に入らないので(笑)。
6年
柴田 純男
探してみたら、図書館(横浜)にありました。借りてきて、今から読むところです。
6年
柴田 純男
「地を匍う翼」は読まれましたか? 私も是非とも読みたいと思っております。






 
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