松本清張_まえがき (この本に寄せる:秘録 帝銀事件)


題名 まえがき (この本に寄せる:秘録 帝銀事件)
読み マエガキ (コノホンニヨセル:ヒロク テイギンジケン)
原題/改題/副題/備考 ●秘録 帝銀事件(森川哲朗著)

●この本に寄せる     松本清張
この書を、第一声に  正木ひろし
本の題名 秘録 帝銀事件【関連本No0155】
出版社 祥伝社
本のサイズ 文庫本
初版&購入版.年月日 2009/07/30●初版
価格 743(税別)
発表雑誌/発表場所
作品発表 年月日 1972年(昭和47年)6月14日未明
コードNo 19720614-00000000
書き出し この本に寄せる                                 いわゆる帝銀事件は、わたしも十何年前に書いた。(「小説・帝銀事件」文芸春秋)<br>この事件はアメリカ占領軍時代に起こり、捜査についてはGHQが深い関心を示した。当時警視庁捜査当局はGHQに捜査の状況を逐一報告していた。単なる報告以上に、詳細な打ち合わせを遂げていた形跡がある。その点、一九四九年に起こった下山事件の場合は、未だ真相が公表されていないが、帝銀事件は「犯人」も挙がって最高裁の判決も済んでいる。警視庁は、「犯人」平沢貞道を逮捕し、送検するのに非常に急いだ。精神的拷問も行われたといわれる。旧刑事訴訟法の末期の事件であった。担当検事も平沢を落とすのを急ぎ、これに非常な情熱を燃やしたようである。検察・警察がこれほど一体となった事件も珍しい。これに裁判側が加わる。もう一度いえば、GHQの権力に、司法・警察が従属し、一手に握られていた時代である。
作品分類 まえがき(書籍の推薦文)
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