題名 | 暗い血の旋舞 | |
読み | クライチノセンブ | |
原題/改題/副題/備考 | 書き下ろし | |
本の題名 | 暗い血の旋舞■【蔵書No241】 | |
出版社 | 日本放送出版協会 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1987/04/20●初版 | |
価格 | 1+送料351/古本 バリューブックス(アマゾン) 定価:1600円 | |
発表雑誌/発表場所 | 書き下ろし | |
作品発表 年月日 | 1987年04月20日 | |
コードNo | 19870420-00000000 | |
書き出し | ウィーン暮色 五月半ばの午後六じすぎといえば、快晴日のウィーンだったら陽射しがまだ斜めにあかかとかがやいているのに、この日は二時間前から曇ってきた。黒い雲がしだいに厚くなり、いまにも雨になりそうである。杉田省吉も、案内役のマキ・バウアーも傘を持っていなかった。広い墓地には雨除けの場所はいくらでもある。教会堂型の墓所、礼拝堂型の墓所、音楽堂型の墓所そのほかが遮蔽のある墓所はここに少なくない。が、駆けこんで雨宿りしても、タクシーが走る往来に出るまでに五百メートルくらいあって、帰りはずぶ濡れになる。モーツァルトやシュトラウスなど楽聖たちの彫像のおかげで観光客が集まる中央墓地とは違い、ヒーツィンガー・フリードホフの墓地には、人影が一つも見えない。 別荘地帯に近いこの墓地は高台なので、墓参には斜面を上る。樹木は多いが、中央墓地のように公園化していない。墓域の様子がどこか東京の染井霊園か多磨霊園に似ている。この墓地葉の間には糸杉があった。墓地は、シェーンブル宮殿庭園の南に建てられたグロリエッテの裏手に所在する |
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作品分類 | 小説(長編) | 307P×450=138150 |
検索キーワード | 書き下ろし | |
【カバー】ミツコの生涯、それは揺れる「時代の伝記」でもあった。巨匠、渾身の書き下ろし350枚 |