題名 | 山 | |
読み | ヤマ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 火と汐■【蔵書No0211】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | 文庫(文春文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1976/02/25●10版1980/10/01 | |
価格 | 320/古本349=(1+送料340) | |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 | |
作品表発表 年月日 | 1968年(昭和43年)7月号 | |
コードNo | 19690900-00000000 | |
書き出し | 女の話声が聞えた。青塚は立ったまま障子を細目に開け、片目をのぞかせた。この指月館の前には小川が流れていて小橋がかかっている。門の前のは客用のもので広く、通用口の前のは狭い。その狭い橋を渡って車の通る道を横切り、畔道を向こうに話ながら歩いているのは指月館の女中たちだった。簡単服の四人が一列にならんでいる。午後一時半ごろになると、きまって山菜採りに山のほうに行く。山菜は夜の食膳に出る。いちばんあとから歩くエビ茶のカーディガンに黒のスラックスがキクだった。畠には麦が熟れかけていた。民芸趣味の人ならよろこびそうな石を置いた檜皮ぶきの屋根が十五,六軒かたまっている。麦畠の向うが桑畠になり、また麦畠となっている。それは遠くまでない。すぐ山につき当たるからである。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 60P×580=34800 |
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