〔(株)文藝春秋=松本清張全集66〕
題名B | 河西電気出張所 | |
読み | カワニシデンキシュッチョウショ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)新潮社=宮部みゆき 戦い続けた男の素顔:松本清張傑作選〕 【重複】〔(株)双葉社=月光 松本清張初文庫化作品集C〕 |
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本の題名 | 松本清張全集 66 老公 短篇6■【蔵書No0233】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1996/03/30●初版 | |
価格 | 1631円税込み:中古/アマゾン | |
発表雑誌/発表場所 | 「文藝春秋」 | |
作品発表 年月日 | 1974年(昭和49年)1月 | |
コードNo | 19740100-00000000 | |
書き出し | 高等小学校をその年の三月に卒業したが、信一には就職先がなかった。家は、うどん屋に毛の生えたような飲食店をしていたが、一人息子でも彼を遊ばせておく余裕はなかった。父の宗太郎は一張羅の銘仙の羽織をつけて信一を伴い、市の職業紹介所に行った。係員は蒼白い顔をしている信一を窓口からのぞき、手もとの薄い書類綴を繰った。求人の申込書らしかったが、こちらから眺めても十枚そこそこのようだった。「鉄工所の見習い職工とか自転車屋の住み込み店員とかいうのがあるが、身体が丈夫でなさそうだから無理でしょうな?」係員は宗太郎に聞いてから、「電気会社の給仕というのがあるが、そこにでも行ってみますか」と、印刷された紹介状に必要項目を書き入れて茶色の封筒に入れた。五十一歳の宗太郎は窓から出されたその封筒を押しいただいた。表には「河西電気株式会社小倉主張所長殿」とペンで書いてあった。 | |
作品分類 | 小説(短編) | |
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