松本清張_夏島

(株)文藝春秋=松本清張全集66

題名A 夏島
読み ナツシマ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)双葉社=途上 松本清張初文庫化作品集B〕
本の題名 松本清張全集 66 老公 短篇6【蔵書No0233】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1996/03/30●初版
価格 1631円税込み:中古/アマゾン
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋132」
作品発表 年月日 1975年(昭和50年)6月
コードNo 19750600-00000000
書き出し 横浜に用たしのついでに夏島に行った。かねてから見たいところだったが、こういうときでもないと機会がない。五月の半ばの日曜日だった。京浜急行の金沢八景駅前からタクシーに乗った。運転手は三十前だった。「夏島町のどのへんですか?」シャツ着の運転手はきいた。十一時ごろだが、もう初夏の陽であった。「島のような小さな山なんだけど」「山は、いっぱいありますよ」お宮の前に車をとめて運転手は南の方角を指した。ずっと向こうになだらかな丘陵が伸びていた。伸びた先は海のである。三浦半島の地図を頭に浮かべると、ここはその真ん中の東側であり、東京湾を隔てて房総半島の富津あたりと対い合わせになっているはずである。「戦時には海軍の飛行場があって、敗戦後はアメリカ軍が使用していたところがあるね?」
作品分類 小説(短編)
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