題名 | 運不運 わが小説 |
読み | ウンフウン ワガショウセツ |
原題/改題/副題/備考 | |
本の題名 | グルノーブルの吹奏■【蔵書No0204】 |
出版社 | (株)新日本出版社 |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) |
初版&購入版.年月日 | 1992/11/15●初版 |
価格 | 1800/古本830=(800+送料340) |
発表雑誌/発表場所 | 「新潮45」 |
作品発表 年月日 | 1990年(平成2年)1月号 |
コードNo | 19900100-00000000 |
書き出し | 息子の本屋の主催でここに参りまして、どうも変なぐあいです。いつもご愛顧いただいてありごとうございます。ならべられてあるのは、わたしのこれまでの仕事の展示ですが、まことに貧弱で恥ずかしい次第でございます。わたしは、元来、小説家になるつもりはございませんでした。偶然のことからこの道に入ったのであります。昭和二十四,五年ごろのこと、ふとしたことから、当時、朝日新聞西部本社、九州小倉にございますが、社内の資料調査室に備えられた冨山房の百科事典で調べることがあってその項目を見ておりますと、その対ページに西郷札というのが出ておりました。これはサイゴウフダではなく、サイゴウサツと読みます。それは、明治十年、西郷隆盛の薩摩軍が政府軍に敗れて、熊本城の包囲を解いて、日向(宮崎県)に走り、延岡にひとまず再挙の根拠地を置いた。ところが薩摩軍は物資を調達するのに軍票をつくった、一円札、五円札、十円札を発行した。それは、西郷軍のお礼であるから世に西郷札という、との説明でありました。 |
作品分類 | エッセイ |
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