松本清張_江戸川乱歩論(エッセイ)

題名 江戸川乱歩論
読み エドガワランポロン
原題/改題/副題/備考  
本の題名 グルノーブルの吹奏【蔵書No0204】
出版社 (株)新日本出版社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1992/11/15●初版
価格 1800/古本830=(800+送料340)
発表雑誌/発表場所 「幻影城」
作品発表 年月日 1975年(昭和50年)7月号
コードNo 19750700-00000000
書き出し 江戸川乱歩は、明治二十七年、三重県名張町で生れた。本名は平井太郎である。そのひつめいはEdgarAllanPoeの発音をもじった。父は名古屋商工会議所の法律の嘱託であったが、宴会などで帰りが遅いとき、祖母と母とは、茶の間の石油ランプの下で、小説本を読んでいた。乱歩は、その頃、黒岩涙香本の挿絵などを覗いていた記憶があった。乱歩に探偵小説の面白を初めて教えたのは、涙香であった。乱歩は小学校六年生から中学校にかけて、しきりと涙香本を読み漁った。涙香を一通り読んでしまった頃に、父の事業が破産し、彼は苦学の決心で上京し、早稲田大学の予科に編入試験を受けて入った。大正元年である。この年、湯島天神下の小さな活版屋の小僧をやったり、写字生をやったりした。大正二年、彼は数え年二十歳になったが、不思議と文学界のことに不案内であった。
作品分類 エッセイ
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