題名 | 未完短篇小説集 |
読み | ミカンタンペンショウセツシュウ |
原題/改題/副題/備考 | |
本の題名 | グルノーブルの吹奏■【蔵書No0204】 |
出版社 | (株)新日本出版社 |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) |
初版&購入版.年月日 | 1992/11/15●初版 |
価格 | 1800/古本830=(800+送料340) |
発表雑誌/発表場所 | 「小説新潮」 |
作品発表 年月日 | 1986年(昭和61年)2月号 |
コードNo | 19860200-00000000 |
書き出し | だいぶ前になるが、あるとき、地方の税務署の勤めているという未知の人から手紙をもらった。「宝石商は必ずお寺の過去帳みたいに自分の商いを長い年月にわたってメモし、絶えず倒産の噂や新聞の死亡広告などに注意を払っています。人の悲しみにつけこんでは昔売った宝石を追って安く買い取ったり、またそれを高価に売りつけたりします。昔から政治や派閥をめぐる陰惨な犯罪や悲恋の物語を秘めたダイヤやルビーなど、宝石一個にも幾多の物語があるものです。彼らの持っている革手帳、それは私たちの手帳と違って半年、一年といった生命の短いものではありません。そのたった一冊の手帳、それは私たちの手帳(註・脱税意査察の閻魔帳のことか)の数十冊にも相当します。また、それ以上のすばらしい喜劇、悲劇の源泉です。彼らの一生の業績が記されているその手帳、一つ、これをとり上げて書いていただけませんか」 |
作品分類 | エッセイ |
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