(原題=生年月日)
題名 | 失踪の果て | |
読み | シッソウノハテ | |
原題/改題/副題/備考 | (原題=生年月日) | |
本の題名 | 失踪の果て■【蔵書No0185】 | |
出版社 | (株)角川書店 | |
本のサイズ | 文庫(角川文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1987/10/25●再版1987/11/10 | |
価格 | 340/古本 170(税5%込み) | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊スリラー」 | |
作品発表 年月日 | 1959年(昭和34年)5月1日号〜5月29日号 | |
コードNo | 19590501-19590529 | |
書き出し | Q大理学部地質学主任教授渡部荘太郎が消息を絶ったのは四月二十二日の夕方であった。渡部教授は午後三時半ごろ、ひとりで学校を出て、校門の前からバスに乗った。このバスの停留所では、同じく待ち合わせていた三人の学生に挨拶されている。バスが国電の駅に到着するまで、教授は生憎と座席が塞がっているので立っていた。四十八歳という年齢では、席を譲るものもなかったらしい。もっとも、渡部荘太郎は、痩せていて白髪も多いので、年齢よりは老けてみえる。当人はそれを気にしていて、若い助教授や講師たちから老人扱いされるのを極端に嫌っていた。バス内で一緒だった学生の話では、教授は黒い手提げ鞄の中から本を出して、片手で吊革にぶら下がりながら読み耽っていたという。教授は読書家であった。その様子は、いつも見かける通りで別に変わったこともなかった。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 41P×510=20910 |
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