松本清張_脊梁

題名 脊梁
読み セキリョウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 ベイルート情報【蔵書No0138】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ 文庫(文春文庫)
初版&購入版.年月日 1977/09/25●初版
価格 280/古本 480(税5%込み)
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」86号
作品発表 年月日 1963年(昭和38年)12月
コードNo 19631200-00000000
書き出し ほとんどの小説には背景になる土地が指定されてある。東京だったり、地方だったり、小都市だったり、山村、海浜だったりする。しかし、これは雰囲気を出す以外にあまり意味がない場合が多い。どこにでも起こりうる人生の話には、舞台の指定を必ずしも必要としないからである。少なくとも、この話は、日本のどこでも起こる可能性を持っている。東京××区にしてもよいし、青森県××××村にしても一向に差支えはない。しかし、ぼんやりした具体的なイメージを読者に与える上から、とにかく東京の或る郊外の新開地としておく、都心から西北に電車に乗って約四十分、付近は、十年前までは農村とまばらな市街地とであったが、近年、工場の誘致と住宅地の激増で発展したところである。一本の必要な道路は舗装されているが、少し外れると、昔から村道が畦道と紛らわしい恰好でうねうねと曲り、雨が降れば、長靴が泥濘にぬかるむ。
作品分類 小説(短編) 64P×580=37120
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