題名 | 「白鳥事件」裁判の謎 |
読み | 「シラトリジケン」サイバンノナゾ |
原題/改題/副題/備考 | |
本の題名 | 松本清張全集 30 日本の黒い霧■【蔵書No0118】 |
出版社 | (株)文藝春秋 |
本のサイズ | A5(普通) |
初版&購入版.年月日 | 1972/11/20●初版 |
価格 | 880 |
発表雑誌/発表場所 | 「中央公論」 |
作品発表 年月日 | 1964年(昭和39年)1月号 |
コードNo | 19640100-00000000 |
書き出し | 「白鳥事件」は、昭和三十八年十月十七日に最高裁第一小法廷(入江裁判長)で上告棄却となり、被告村上国治の二十年の懲役が確定した。一審は無期懲役、二審は二十年の懲役が判決されていたものであった。今から五年前に私は『日本の黒い霧』で、「白鳥事件」の名でこの事件のことを書いている。以来、仙台高裁から今度の最高裁に至る裁判の進行を見守りつづけていたが、最終判決は期待に反し前記の判決を宣告した。裁判官は、松川事件に無罪を言渡した同じ人で構成されている。白鳥事件では不起訴の被疑者と執行猶予の被告の自供がほとんどキメ手になって村上国治と精神病院にいる村手宏光を有罪にし、事件関係者三名は所在を絶っている。このことは、松川事件のように全被告が揃っていて、互いの供述を突き合わせ、そこから真実の発見がなされるというような有利な点がなかった。いうなれば、村上国治は単独で転向組三人の証言と対決しなければならなかったところに、彼をはじめ弁護団の苦しい闘いがあった。 |
作品分類 | 社会評論 |
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