松本清張_密宗律仙教

題名 密宗律仙教
読み ミッシュウリツセンキョウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 証明【蔵書No0193】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ 文庫(文春文庫)
初版&購入版.年月日 1976/04/25●12版2004/0525
価格 419+税(5%)
発表雑誌/発表場所 『オール読み物』
作品表発表 年月日 1970年(昭和45年)2月号
コードNo 19700200-00000000
書き出し 尾山定海は彼が真言宗の僧籍に入ってからの名である。のち悟るところがあって律仙教を創設したが、定海たることには変わりなかった。俗名は武次郎、石川県動橋近くの農家の生まれである。人は彼の淫逸な性格を生地の環境に求めようとする。近くには山中、山代、粟津、少しはなれて片山津の諸温泉があるから、その温泉地の風儀が少年の彼に影響を及ぼしたのであろうという。こう評する人は、夜の夜中に猪が出る、という山中温泉の俗謡が頭にあるためかもしれない。しかし、温泉地と彼の好色とは関係がない。また、人によっては彼の宗教心の下地を近くの吉崎に求めようとする。ここは世に知られているように蓮如上人が布教所を建てたところで、その本願寺別院はいまも「吉崎御坊」とよばれている。これも定海の幼時とは関係がない。第一、吉崎は真宗で、彼の両親も真宗である。
作品分類 小説(短編) 58P×540=31320
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