題名 | 証明 | |
読み | ショウメイ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 証明■【蔵書No0193】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | 文庫(文春文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1976/04/25●12版2004/0525 | |
価格 | 419+税(5%) | |
発表雑誌/発表場所 | 『オール読み物』 | |
作品表発表 年月日 | 1969年(昭和44年)9月号 | |
コードNo | 19690900-00000000 | |
書き出し | 久美子はこのところつづけて次号雑誌の取材で下調べをしていた。特集は「芸術に見る性」というのだった。雑誌は婦人知識層を対象にしているが、近ごろの傾向のことで、だんだんにエロチックなものに内容が傾いている。それを知性の薄紙に包んでいる。編集方針を批判しても仕方のないことだし、また久美子にはその発言力がなかった。彼女は正式な社員ではなく、編集部との契約で取材したり記事を書く仕事だった。結婚前まで、別な婦人雑誌につとめていた経験で、五年前からこの仕事をはじめた。今度の久美子の受けもちは「絵画における性」だった。図書館や友だちから借りてきた西洋美術史や画集や画論の本などを机の前にならべてメモをとっていた。晩春のうすら寒い夜である。昼間は仕事で外をまわっているし、帰りも不規則なので思うようにすすまなかった。しかし、メモの作業が進捗しないのは、隣の部屋で書きものをしている夫の信夫に影響されている。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 40P×540=21600 |
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