松本清張_北一輝論(改題)

(原題=北一輝における『君主制』」)

題名 北一輝論
読み キタイッキロン
原題/改題/副題/備考 (原題=北一輝における『君主制』」)
原題=「北一輝における『君主制』」を改稿
本の題名 北一輝論【蔵書No0170】
出版社 (株)講談社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1976/02/20●7版1976/07/20
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「世界」
作品発表 年月日 1975年(昭和50年)1月号〜5月号
コードNo 19750100-19750500
書き出し 北一輝は、外見的には社会主義者として出発し国家主義者として終わった。これをめぐって彼の「転向」とか、「一貫性」とか「動揺」とかの問題がある。北の外見がそのまま彼の実体かどうかは本稿で分析していくつもりである。北が一九三七年(昭和十二年)八月に処刑されてから三十八年経っている。(昭和五十年現在)三十七年を経ても未だに北の正体がつかめないというのも「思想家」として珍しい。北への再検討が行われた最初は戦後わずか四年経って出版された田中惣五郎「日本ファシズムの源流−−北一輝の思想と生涯」(白揚社刊)である。それまでは極端なファシストとして、ほとんど研究されずにきめつけられてきた。北一輝像には最後の二・二十六事件での死刑が逆投影している。この判決に最初の「政治的」な疑惑をもち、それをかなり具体的に書いたのが田中の前記の著書(田中はのちに『北一輝』=未来社刊・昭和三十四年=にまとめている)であって、田中が入取したらしい「Y判士の手記」によってその裁判の疑惑を不充分ながら追求している。「Y判士」とは北・西田悦・亀川哲也などの民間「煽動」被告組を審理した判士長吉田悳少将のことだが、田中の執筆当時は裁判側の内部資料がほとんど皆無であった。
作品分類 評伝(ノンフィクション) 287P×550=157850
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