松本清張_粗い網版

題名 粗い網版
読み アライアミハン
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)双葉社=断崖〕
本の題名 松本清張全集 38 皿倉学説・短編4【蔵書No0137】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1974/07/05●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」98号
作品発表 年月日 1966年(昭和41年)12月
コードNo 19661200-00000000
書き出し 福岡県特高課長の秋島正六が内務省警保局からの至急電で上京したのは、その年の十月下旬であった。秋島はなぜ急に警保局に呼びつけられたか見当がつかなかった。また全国的な極左分子の一斉検挙かと思ったが、どうもそのようなふしはない。管内の福岡県では現在、共産党系の活動はほとんど終熄している。この一年間、多少の赤の検挙はあったが、組織的な活動とはいえなかった。共産党は、三・一五、四・一六事件のめぼしい被告が獄中で続々転向声明を出してから事実上崩壊している。満州事変以後国家主義が社会的風潮になっていて、ほとんどこれといった労働運動もみられなくなった。福岡県では水平社運動が活溌な程度だが、これとても正確には極左活動とはいえない。また、かつての八幡製鉄のストライキで名前を売った浅原健三も労働運動界から足を洗うと声明して、いまでは満州国で軍部の特務委嘱をうけて活動している。
作品分類 小説(短編) 28P×1000=28000
検索キーワード ※「網版」(アミハン)
写真または絵画の複製印刷で、原画の濃淡を網目状の点の大小で再現する製版方法。
網目版。写真版。あみ。