題名 | 危険な斜面 |
読み | キケンナシャメン |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37〕 |
本の題名 | 危険な斜面■【蔵書No0203】 |
出版社 | (株)光文社 |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) |
初版&購入版.年月日 | 1964/03/15●29版 |
価格 | 270/古本830=(490+送料340) |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 |
作品発表 年月日 | 1959年(昭和34年)2月号 |
コードNo | 19590200-00000000 |
書き出し | 西島電気株式会社調査課長秋葉文作が、野関利江と十年ぶりに偶然会ったのは、歌舞伎座のロビーだった。そのとき、秋葉文作は会社の得意先関係の客を招待していた。会社側は彼のほかにも、販売部長や技術部長、宣伝部長などがいた。いや、調査課長である彼はむしろその末席であった。「今夜は、会長が来ているぜ」と、いち早く報告したのは、宣伝部長だった。「二号さんとだ」どれどれ、と部長連中は、開幕になってから、客席の前の方を眼で捜した。最前列より六つか七つめぐらいあとの、ちょうど、まん中あたりに、特徴のある西島卓平の禿頭が、半分後ろ衿の中にはめこんだようにうずくまっていた。西島金属工業、西島化学工業各株式会社の会長である西島卓平は、ひどい猫背である。その横に豊富な髪をした女が、濃い紫色の和服をきて、抜き衿のうなじを白々と見せていた。 |
作品分類 | 小説(短編) |
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