題名B | 巻頭句の女 |
読み | カントウクノオンナ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)光文社=危険な斜面(KAPPANOVELS)〕 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37〕 |
本の題名 | 駅路 傑作短編集(六)■【蔵書No0227】 |
出版社 | (株)新潮社 |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) |
初版&購入版.年月日 | 1965/07/30●36版1982/4/30 |
価格 | 400/古本 1円+送料250 |
発表雑誌/発表場所 | 「小説新潮」 |
作品発表 年月日 | 1958年(昭和33年)7月 |
コードNo | 19580700-00000000 |
書き出し | 俳句雑誌「蒲の穂」四月号の校了のあと、主宰者の石本麦人、同人の山尾梨郊、藤田青沙、西岡しず子の間に、茶をのみながらこんな話が出た。いつものように、会合は医者をしている麦人の家であった。「先生、今月も志村さち女の句がありませんでしたね」古本屋をしている山尾梨郊が云った。「うん、とうとう来なかったね」と、麦人はゲラ刷りをまだ見ながら云った。「これで三回つづきますね。病気がよっぽど悪いのでしょうか?」貿易会社に勤めている藤田青沙が、顔の麦人のほうに向けて云った。この編集委員の中では青沙が、一番若く、二十八の独身だった。「さあ、胃潰瘍ということだかね」「胃潰瘍というのはそんなに重いのですか。このごろは、手術すればすぐ癒るでしょう?」「普通の病院ではね。しかし、ああいう所はそんな手術をすぐしてくれるかな」麦人は首を傾げた。 |
作品分類 | 小説(短編) |
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