題名B | ある小官僚の抹殺 | |
読み | アルショウカンリョウノマッサツ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37(1973/02/20)〕 【重複】〔(株)新潮社=(駅路) 傑作集短編(六)(1982/04/30)〕 |
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本の題名 | 黒地の絵 カッパ・ノベルス■【蔵書No0228】 | |
出版社 | (株)光文社 | |
本のサイズ | 新書(カッパ・ノベルス) | |
初版&購入版.年月日 | 1961/04/25●18版1962/05/15 | |
価格 | 200/古本 600円+送料250 | |
発表雑誌/発表場所 | 「別冊文藝春秋」62号 | |
作品発表 年月日 | 1958年(昭和33年)2月号 | |
コードNo | 19580200-00000000 | |
書き出し | 昭和二十××年の早春のある日、警視庁捜査二課長の名ざしで外線から電話がかかってきた。呼び出しの相手を指名しているくせに自分の名前を云わない。かれた、低い声である。課長は受話器を耳に当てながら、注意深く声の背景を聞こうとした。電車の音も、自動車の騒音もなく、音楽も鳴っていなかった。自宅から掛けているという直感がした。話はかなり長く、数字をあげて、内容に具体性があり、聞き手に信頼性をもたせるに十分だった。重ねて名前を聞くと、都合があって今は云えないと、かれ声はていねいに挨拶して先に切った。ふだん話をするのになれた人間の云い方であった。いうところの汚職事件が新聞に発表されたとき、人は捜査当局の神のような触覚に驚く。いったい、どのようにして事件の端緒をかぎあてたのだろうかとふしぎな気がする。多くは、彼らの専門的な技能に帰納して、かかる懐疑を起こさないかもしれない。しかし、職業の概念に安心するのは、そのゆえにあざむかれているのである。 | |
作品分類 | 小説(短編) | |
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