題名A | 五十四万石の嘘 |
読み | ゴジュウヨンマンゴクノウソ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集36〕 |
本の題名 | 五十四万石の嘘■【蔵書No0199】 |
出版社 | 中央公論社 |
本のサイズ | 文庫(中公文庫) |
初版&購入版.年月日 | 1980/06/10●8版1986/09/20 |
価格 | 280/古本 59(税5%込み)+送料340 |
発表雑誌/発表場所 | 「講談倶楽部」 |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)8月号 |
コードNo | 19560800-00000000 |
書き出し | 肥後国熊本城主加藤肥後守清正は、慶長十六年四月、病患の果てに死んだ。世間では、家康に毒殺されたのであろうと噂が立ったが、根も葉もないことである。清正というと、豊臣家に忠誠を尽し、秀頼を護って家康に楯ついたように思われがちな人だが、実際は家康に対してかなり要領がよかった。名古屋城の築城工事を自分から進んで申しこんだのは彼だ。江戸城の築城も分担した。工事は莫大な費用と人力を消耗する苦役である。福島正則など、あまりの苦しさに、ぶつぶつ不平をいうと、清正は、じろりと見て、「そんなに不満だったら、国もとに引きあげて徳川方と一戦するほかあるまい」と云ったので、正則は黙ったという。つまり、家康の権力は絶大なものになっていて、どのような無理でもきいて機嫌をとらねばならぬことを清正は承知していた。 |
作品分類 | 小説(短編・時代) |
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