題名 | 秀頼走路 | |
読み | ヒデヨリソウロ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2■【蔵書No0086】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1972/2/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「別冊小説新潮」 | |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)1月号 | |
コードNo | 19560100-00000000 | |
書き出し | 元禄元年の夏、家康が大坂に再度の兵をすすめたとき、開戦の理由の一つとしたのは、大坂方が夥しい浪人を召抱えていることであった。慶長十九年と元和元年の両年に大阪城に召抱えられた浪人の人数は都合十万余人であったと見聞書は計算している。関ヶ原役によって生じた多数の浪人が大阪城に集まったのである。山上順助もその一人であった。関ヶ原の生き残りだけに浪人衆はよく戦い、かえって攻囲の関東勢に戦意が薄かったといわれているが、順助も戦意のないことでは敵の関東勢に劣らなかった。順助の兄は石田方に加担して取潰された大名の家来だが、関ヶ原で負けたことを無念に思い、この度の東西の手切れを聞いて弟を遣ったのである。兄は病中であった。順助は二十二歳の若者だったが、気の乗らぬまま大坂に入城したものの、戦闘する意力は湧かなかった。彼は兄ほどに豊臣家に恩義を感じてもいなければ、徳川方を憎悪してもいなかった。 | |
作品分類 | 小説(短編・時代) | 11P×1000=11000 |
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