題名A | 面貌 |
読み | メンボウ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕 |
本の題名 | 西郷札 傑作短編集(三)■【蔵書No0198】 |
出版社 | (株)新潮社 |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) |
初版&購入版.年月日 | 1965/11/25●35版1992/09/05 |
価格 | 350/古本 9(税5%込み)+送料340 |
発表雑誌/発表場所 | 「小説公園」 |
作品発表 年月日 | 1955年(昭和30年)5月号 |
コードNo | 19550500-00000000 |
書き出し | 空がどんより曇って、薄ら寒い風が吹いていた。こんな日は目ぼしい獲物はなかった。家康は不機嫌な顔をして草原を歩いていたが、「もう帰る」と云い出した。後に従っていた鷹匠が、不興な家康の姿に、打ち萎れていた。家康は馬に乗って駿府の方へ向かった。業腹なので一散に駆け出そうかと思ったが、それも家来の手前すこし大人気ないと思ったので速歩で打たせていた。十何騎の供がその後につづいた。田圃道から家の見える街道にかかった。領主の通行なので道ばたには人々が平伏していた。家康がその前を通り抜けようとした時、一人の女が何か喚きながら道に出てきた。後の家来が馬から飛降りてその女を取押さえたらしかった。家康は振り返りもせずに過ぎた。その晩、家康はそのことを風呂の中で思い出した。その女の横に小さな子供がいたような気がした。 |
作品分類 | 小説(短編・時代) |
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