(原題=弧情)
題名B | 恋情 | |
読み | レンジョウ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕 【重複】〔(株)新潮社=西郷札 傑作短編集(三)〕 (原題=弧情) |
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本の題名 | 松本清張 短編全集05 【声】■【蔵書No0226】 | |
出版社 | (株)光文社 | |
本のサイズ | 文庫(光文社文庫)※新書版を文庫化 | |
初版&購入版.年月日 | 2009/01/10●初版 | |
価格 | 660(本体629円) | |
発表雑誌/発表場所 | 「小説公園」 | |
作品発表 年月日 | 1955年(昭和30年)1月号 | |
コードNo | 19540100-00000000 | |
書き出し | 己は田舎の小さな旧藩主の長男として生まれた。明治十七年に華族令が定ったとき、父は男爵をもらったが、本家筋に当たる山名家は伯爵であった。大藩の大名でありながら、侯爵にならなかったのは、維新のさい、狼狽して、さしたる働きがなかったからである。新政府になってからは何となく疎まれがちで、ずいぶん有能な藩士でも官途に重く登用されることはなかった。そのため山名の当主は薩長をにくむことはなはだしく、口をひらけば新政府を罵倒した。「天子の政府ではない。薩長の陰謀幕府だ」山名伯は五十にも満たぬ壮齢である。鬱勃の気風があったが、この政府では手も足も出ず。かげで鬱憤を吐くよりほかはなかった。己の家と本家とは、支藩と本藩の関係で、現在では血縁のつながりはなかったが、己は当主の包幸を”伯父さま”と呼んでいた。 | |
作品分類 | 小説(短編) | |
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