松本清張_恋情(改題)

(原題=弧情)

題名 恋情
読み レンジョウ 
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)新潮社=西郷札 傑作短編集(三)〕
【重複】〔(株)光文社=松本清張 短編全集05(声)(光文社文庫)〕
(原題=弧情)
本の題名 松本清張全集 35 或る「小倉日記」伝・短編1【蔵書No0106】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「小説公園」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)1月号
コードNo 19540100-00000000
書き出し 己は田舎の小さな旧藩主の長男として生まれた。明治十七年に華族令が定ったとき、父は男爵をもらったが、本家筋に当たる山名家は伯爵であった。大藩の大名でありながら、侯爵にならなかったのは、維新のさい、狼狽して、さしたる働きがなかったからである。新政府になってからは何となく疎まれがちで、ずいぶん有能な藩士でも官途に重く登用されることはなかった。そのため山名の当主は薩長をにくむことはなはだしく、口をひらけば新政府を罵倒した。「天子の政府ではない。薩長の陰謀幕府だ」山名伯は五十にも満たぬ壮齢である。鬱勃の気風があったが、この政府では手も足も出ず。かげで鬱憤を吐くよりほかはなかった。己の家と本家とは、支藩と本藩の関係で、現在では血縁のつながりはなかったが、己は当主の包幸を”伯父さま”と呼んでいた。
作品分類 小説(短編) 24P×1000=24000
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