松本清張_菊枕 ぬい女略歴

題名 菊枕 ぬい女略歴
読み キクマクラ ヌイジョリャクレキ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 35 或る「小倉日記」伝・短編1【蔵書No0106】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文藝春秋」
作品発表 年月日 1953年(昭和28年)8月号
コードNo 19530800-00000000
書き出し 三岡圭助がぬいと一緒になったのは、明治四十二年、彼が二十二歳、ぬい二十歳の秋であった。結婚は双方の父親同士が東北の同県人で、懇意であったためである。ぬいは九州熊本で生まれたが、これは父親が軍人で家族と任地にあったのである。父親は聯隊長などをして各地を転転としたから、ぬいも赴任の先々で大ききなった。父親は現役をひき一家は東京に居を構えた。ぬいが東京お茶の水高等女学校を出たのは、そのためである。在学当時のことについては格別のことをきかない。ただ、作文が巧みであったという。その時、もう一人同級に作文のうまい娘がいた。二人はそのため互いに意識していたが、仲良くは出来なかった。その娘は、後年、名のある女流作家となった。ぬいの母親は士族の女で端麗な顔だちをもって郷里に知られていた。
作品分類 小説(短編) 12P×1000=12000
検索キーワード