梟示抄(完成登録:1072

題名A 梟示抄
読み キョウジショウ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕
梟=ふくろう
本の題名 西郷札 傑作短編集(三)【蔵書No0198】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ 文庫(新潮文庫)
初版&購入版.年月日 1965/11/25●35版1992/09/05
価格 350/古本 9(税5%込み)+送料340
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」秋32号
作品発表 年月日 1953年(昭和28年)2月号
コードNo 19530200-00000000
書き出し 鎮台兵が征韓党の拠っている佐賀県庁に入城したのは、明治七年三月朔日の朝十じごろであった。それまで、しだいに細まってきた微弱な抵抗で、城内には戦闘員が少なくなったことはわかっていたが、首領の江藤新平は、生きているにせよ、死体となっているにせよ、残っているものと予想していた。城内の残兵はわずかな数になっていたが、江藤はいなかった。尋問すると、意外にも江藤はすでに一週間ばかり前に脱走したことがわかった。その他、島義勇ははじめおもだった幹部もことごとく姿がない。参議兼内務卿大久保利通は、山田顕義や河野敏鎌などを従えて、二時ごろ、宗龍寺の本陣についたが、この報告を聞いて険しい顔をした。彼も江藤の死屍か降人を期待していたのである。江藤が薩摩へ向ったに違いないことは、ほとんど推察できた。
作品分類 小説(短編)
検索キーワード 征韓党、明治維新、佐賀の乱、佐賀城、逃亡、薩摩、土佐、四万十川、宗龍寺、島屋、吉田屋、梟首、裁判