題名A | 西郷札 |
読み | サイゴウサツ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕 |
本の題名 | 西郷札 傑作短編集(三)■【蔵書No0198】 |
出版社 | (株)新潮社 |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) |
初版&購入版.年月日 | 1965/11/25●35版1992/09/05 |
価格 | 350/古本 9(税5%込み)+送料340 |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊朝日別冊」・春季増刊号3 |
作品発表 年月日 | 1951年(昭和26年)3月15日号 |
コードNo | 19510315-00000000 |
書き出し | 去年の春、私のいる新聞社では『九州二千年文化史展』を企画した。秋には開催予定で早くからその準備にかかっていた。私は一カ月間つづけて九州中をかけ廻り、大学の図書館や寺や古社、旧家をたずね出品資料の蒐集につとめた。成績はよい方で、長い出張が終わる頃には大体の目鼻をつけて帰ってきた。出品の中には国宝もあるし、いわゆる門外不出のかけ替えのない重要品もあるので、その取扱いや輸送に前もって万全の方法を講じねばならなかった。その計画のため概ね出品の決まったところで品目のあらましをリストに作ってみた。すると出来上がったその表を一瞥しただけで、予期以上の成果ということが分った。殊に切支丹物では今までにない逸品が見事にならんだ。「おい、これは何だ、西郷札とは何だ?」と突然若い部員がリストを見ていった。四,五人の目がそれを覗き込むと、そこには、 一,西郷札 二十点 一,覚書 一点 としてあった。私にもそれは分からなかった。 |
作品分類 | 小説(短編) |
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