松本清張_落差

題名 落差
読み ラクサ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 20 落差【蔵書No0101】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/01/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「讀賣新聞」
作品発表 年月日 1961年(昭和36年)11月12日号〜1962年(昭和37年)11月21日号
コードNo 19611112-19621121
書き出し 列車が沼津駅に着いた。島地章吾は窓から首を出したが、あいにくと一等車がホームの端に停まったので、売子がここまで来てくれない。ずっと後ろのほうの二等車あたりにかたまってうろうろしている。それも車窓に手を伸ばして忙しく商売をしているので、そこから容易に動きそうになかった。島地章吾は窓から上体を乗り出して、しばらくそっちのほうを見つめていたが、ここで待っていても間に合いそうにないので、諦めてホームに降りることにした。前の指定席に座った乗客の老紳士は、週刊誌を持ったまま居眠りをしている。章吾の隣りも空いていたが、そこは、列車中で読み棄てた新聞や雑誌が散乱して残っている。沼津は一分停車だ。島地章吾はホームを歩いた。長い列車で、指定席の一等車が二輌、普通一等車が二輌、それからやっと二等車になる。
作品分類 小説(長編) 436P×1000=436000
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